研究概要 |
ポストゲノムにおける中心的課題の一つがシステムバイオロジーのアプローチ及び細胞シミュレーションによる統合的な生命システムの理解であり、このために研究対象を数学的・情報学的に記述する「モデリング」が不可欠となる。本研究では現在システムバイオロジー研究においてボトルネックとなっているこのモデリングを支援するためのソフトウェア環境、及び、ウェブ上でシミュレーションができる環境を開発している。前年度までに作成した定性ネットワークモデル自動生成ソフトウェアGEM Systemや定量情報を持つデータベースismをもとに作成したモデルをオンラインでシミュレーション可能にするため、本年度はE-Cell及びCopasiを用いて実際にシミュレーション実験をブラウザから行うことを可能にするREST(Representational State Transfer)モデルによるウェブサービスを開発した。(http://www.g-language.org/wiki/ecell,http://www.g-language.org/wiki/copasi)また、このためにE-CellをCGIで広く利用されるPerl言語から扱えるソフトウェアライブラリBio::Ecell(http://search.cpan.org/~gaou/Bio-ECell-0.10/)を開発した。本ウェブサービスではSBMLで作成されたモデルを実行できるばかりでなく、Metabolic Control AnalysisやSteady State Analysisなどの解析を行うことができる。以上により、細胞モデルをオンラインでモデリング・シミュレーションするための基盤が整ったといえる。
|