• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

イオン輸送系の構造形成過程および活性調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20710161
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 陽子  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40455803)

キーワード膜タンパク質 / トランスロコン / トポロジー / 生体膜 / チャネル
研究概要

膜電位依存性Kチャネル(Kv)は、基本構造として6回の膜貫通部位(S1~S6)を持ち、膜電位センサー(S1~S4)のS4には数個の正電荷残基が存在する。このためS4は通常は比較的親水性が高く、疎水的環境である膜への挿入機構は不明であった。我々は、ショウジョウバエのKvチャネルShakerにおいてはS3がその高い疎水性により自立的に組込まれ、S4には通常の膜挿入機構で組込まれる能力があるが、シロイヌナズナのKvチャネルであるKAT1のS4はS3と一体となって膜へ組込まれることをすでに報告してきた。本研究では、細菌のKvAPの膜電位センサーの組込み様式について、ウサギ網状赤血球由来蛋白質合成系およびイヌ膵臓由来の粗面小胞体を用いたin vitro解析を行った。その結果、KvAPのS3は組込み特性を持たないが、S4はN末端側を小胞体内腔ヘトランスロケートさせる活性(SA-I活性)を持つことが見出された。しかし、KvAP S4のSA-I活性は比較的弱いものであり、S4のN末端側に大きな水溶性ドメインを融合した場合において、SA-I活性が阻害されることが分かった。このため、S4のSA-I活性によって強制的に膜内に引き込まれたS3が正常な位置で停止するためには、静電相互作用の寄与が示唆された。KvAP S2およびS3内の負電荷残基、S4内の正電荷残基に注目し、電荷を変化させるような部位特異的変異を導入した場合、S2内のAsp72とS4内のArg123およびArg126の静電相互作用が示唆される結果を得た。KAT1やShakerにおいても、相同部位に静電相互作用が検出されていた。従って、KvAP、KAT1およびShakerのS3・S4部位の組込み開始機構は異なっているが、膜貫通部位を安定化するための静電相互作用部位は保存されていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] K^+チャネル膜電位センサーのトポロジー形成機構の解明2009

    • 著者名/発表者名
      三島枝里子
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-10-22
  • [学会発表] K^+チャネル膜電位センサーの形成機構の解明2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤陽子
    • 学会等名
      日本生化学会東北支部第75回例会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2009-05-09

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi