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2010 年度 実績報告書

特異な構造を持つガングリオシドAG類の化学合成と神経突起伸長活性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 20710171
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

花島 慎弥  独立行政法人理化学研究所, 糖鎖構造生物学研究チーム, 基幹研究所研究員 (50373353)

キーワードNMR / シアル酸 / ガングリオシド / Siglec-2
研究概要

ヒトデから単離精製されたガングリオシドAG類は非常にユニークな糖鎖構造をもちマウス細胞に対し神経突起伸長効果が報告された。申請者はこのヒトデ糖鎖のユニークな糖鎖構造に着目し昨年度までに5糖全長の化学合成を達成した。AG類はシアル酸の5位からさらに糖鎖を伸長した新規の構造をもつためこれまでに類似化合物も含めて合成例は無く、新たな合成手法の開発に取り組んだ。その結果、シアル酸の糖鎖導入に関して新規の立体選択手法を開発した。また、立体選択的にシアル酸が導入でき、かつ5位の水酸基を容易にフリーにできるシアル酸供与体を新たに開発してAG2の合成を達成した。AG2のようなシアル酸が中央部分にある糖鎖はシアリダーゼによる酵素消化を受けにくいと考えられるため、血清中での安定性が高く、また動態も通常のシアリル化糖鎖とは異なる可能性が高いと期待している。また合成したAG2五糖がシアル酸が中央部分にあるにもかかわらずヒトのシアル酸認識タンパク質に認識されるか興味深い。そこで免疫細胞上に存在してその調節を担うSiglec-2とAG2との結合をNMRにより解析した。また神経細胞上にもSiglec類が存在することが知られている。その結果ヒトSiglec-2とはKd 5 mM程度の結合定数で結合が観測できたが、マウスSiglec-2との結合は観測できなかった。次にSTD-NMRを用いてヒトSiglec-2とAG2との結合を詳細に解析した。その結果、ヒトSiglec-2はシアル酸が糖鎖内部にあるにもかかわらず、シアル酸を中心に3糖構造を中心に認識することを明らかにした。本研究により、AG2のようなシアル酸が内部にあるシアリル化糖鎖に関してもヒトのタンパク質に認識される可能性を示し、Siglec-2に関して新たな結合サイトの存在を示唆することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis and binding analysis of unique AG2 pentasaccharide to human Siglec-2 using NMR techniques2011

    • 著者名/発表者名
      花島慎弥
    • 雑誌名

      Bioorganic and Medicinal Chemistry

      巻: 18 ページ: 3720-3725

    • 査読あり
  • [学会発表] Binding Analysis of Human Siglec-2 and Synthetic AG2 Pentasaccharide Using NMR Technique2010

    • 著者名/発表者名
      花島慎弥
    • 学会等名
      理研ケミカルバイオロジー国際シンポジウム
    • 発表場所
      埼玉県和光市
    • 年月日
      2010-10-26

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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