研究課題
研究目的1) ベルチノールAの不斉合成を行い、種々の類縁体合成が可能な合成経路を開発する、2) 分子モデリングによる詳細な解析から得られる結合様式などの情報を元に種々の類縁体を設計・合成する、3) 合成した類縁体を生理活性試験に供し生理活性の有無を調べる、という3つのプロセスを踏むことにより、類縁体とB1受容体との結合様式、受容体と結合するためのファーマコア、および、作用機構、の三つについて解明することを目的とする。マウスのブラジキニンB1受容体はアミノ酸配列相同性から視覚受容体であるロドプシンファミリーに属することが知られている。そのため、アミノ酸配列の相同性アライメントをもとに、ロドプシンの光活性化中間体モデルであるメタロドプシンIbを鋳型としてホモロジーモデリング法によりアンタゴニスト結合型機能構造を構築した。得られた構造のエネルギー極小化を行い、これを受容体構造として用いた。続いて、ウシロドプシンにおいて、レチナールが結合している部位と同じ箇所にベルチノールAをドッキングして複合体構造モデルを構築し、このとき生理活性に必要な、空間、電子的要因、そして、活性部位を予測したまた、ブラジキニンB1受容体のリガンドであるベルチノールAの合成研究も行った。すなわち、プレグナン骨格を有するステロイド類を原料とするキラルプール法により、合成を進めた。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)
Chemistry A European Journal 15
ページ: 3983-4010
有機合成化学 66
ページ: 808-809