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2008 年度 実績報告書

不安定化塩基対に選択的に結合する新規低分子リガンドの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20710179
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

小島 直  独立行政法人産業技術総合研究所, ゲノムファクトリー研究部門, 主任研究員 (30356985)

キーワード合成化学 / 分子認識 / 遺伝子 / 核酸
研究概要

複製時の誤った塩基の取り込み、あるいは遺伝子が外的環境因子によって損傷を受けた場合には、遺伝子上で不安定な塩基対が形成される。このような本来の塩基対とは異なる不安定化された塩基対は修復酵素により修復されるが、修復されない場合には遺伝子変異の原因となって種々の疾病を誘起する。そのため、このような不安定化塩基対を検出する手法の開発は、遺伝子変異が原因となる疾患に対するリスク評価を行う上で重要な役割を果たすと考えられる。本研究では、これらの不安定化塩基対に共通する構造を認識して選択的に結合する低分子リガンドの開発を目指す。本年度はこのうち、核酸塩基が脱離した損傷であるabasic部位を標的としたリガンドの開発を進めた。
1. リガンドの分子設計と化学合成
遺伝子上に生じた構造的に不安定な領域は、溶液中で他の分子と相互作用しやすい環境にあると推測される。特にabasic部位では、核酸塩基が脱離したことにより二本鎖内部に空間が出来ているため、この上下に位置する正常型塩基対とスタッキング可能な分子が有効であると考え、疎水性芳香族基を有する新規結合リガンドを設計、合成した。また標的部位近傍のリン酸残基と静電的相互作用可能な、陽電荷基を有する分子の合成も達成した。
2. 合成リガンドのabasic部位への結合能の評価
abasic部位を導入したDNA二本鎖の調製は、核酸自動合成機によりデオキシウリジンを導入したDNAを合成し、この配列をUracil-DNA glycosylase処理することで行った。合成リガンドのabasic部位への結合はポリアクリルアミドゲル電気泳動により評価した。その結果、陽電荷基を有する合成リガンドが、陽電荷基を有していないリガンドと比べてabasic部位に高効率的に結合することを見出した。一方、芳香族基を導入したリガンドでは結合能の上昇はわずかであった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Comparison of the chemical properties of a novel amino-linker with various aminomodifications2008

    • 著者名/発表者名
      Kojima, N.
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Symposium Series 52

      ページ: 463-464

  • [雑誌論文] Construction of an aminooxy derivative for RNA and DNA labeling2008

    • 著者名/発表者名
      Kojima, N.
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Symposium Series 52

      ページ: 393-394

  • [学会発表] 新規アミノ化試薬の開発と、固相上でのオリゴヌクレオチド修飾反応への応用2008

    • 著者名/発表者名
      小島直
    • 学会等名
      第18回アンチセンスシンポジウム
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      2008-11-17
  • [学会発表] Comparison of the chemical properties of a novel amino-linker with various aminomodifications2008

    • 著者名/発表者名
      小島直
    • 学会等名
      第35回国際核酸化学シンポジウム
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2008-09-11
  • [学会発表] Construction of an aminooxy for RNA and DNA kabeling2008

    • 著者名/発表者名
      小松康雄
    • 学会等名
      第35回国際核酸化学シンポジウム
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2008-09-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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