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2010 年度 実績報告書

浚渫土人工干潟の有効性検証-絶滅危惧種シオマネキの生息を支える環境要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20710183
研究機関阿南工業高等専門学校

研究代表者

大田 直友  阿南工業高等専門学校, 建設システム工学科, 助教 (00370031)

キーワード干潟創出 / 浚渫土 / シオマネキ / 野外実験
研究概要

1.浚渫土区における生物・物理環境分布調査
・大潟人工干潟の浚渫土の粒度組成は,自然干潟の土壌と比較して砂分が半分以下(約17%),礫分は極わずかだったが(約1%),逆に粘土分は2倍程度含まれ(約18%),シルト分も多い傾向にあった(約63%).
・大潟人工干潟において,浚渫土の粒度組成は埋め立て後の時間経過により,シルト分が減少し砂分が増加することで,自然干潟の土壌の粒度組成に近くなった.⇒浚渫土人工干潟を創出する際に,粒度組成の時間的変動性を考慮する必要が示唆された.
・人工・自然干潟において同等な密度が確認された種(シオマネキ、アシハラガニ類、ヤマトオサガニ類、フトヘナタリ),人工干潟において多数確認された種(ハクセンシオマネキ),自然干潟で卓越していた種(ベンケイガニ類,チゴガニ,ヘナタリ,カワアイ)の3つに分類された.
・捕食性カニ類であるベンケイガニ類は,自然干潟に卓越したヨシ原に強く依存しており,さらに餌となる小型スナガニ類の密度に負の影響を与えていると推測された.⇒生物間相互作用への影響を考慮した干潟創出計画の必要性が示唆された.
・浚渫土を含めた土壌の底生生物への直接的な影響のみならず,ヨシの存在を介した間接的影響も評価することの重要性が示唆された.
2.生息地再現実験区におけるシオマネキ加入過程のモニタリング
・シオマネキ稚ガニ個体の大潟人工干潟における生存率は,自然干潟と比較して高かったが,加入直後の生存に制限がかかっており,人工・自然干潟間で異なるプロセスが機能していることが推測された.⇒ヨシによって被陰された環境は,稚ガニにとって好適である可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大潟漁港改修事業の概要と底質入れ替え実験(シオマネキとフトヘナタリの比較)2010

    • 著者名/発表者名
      河井崇・大田直友
    • 雑誌名

      まいご

      巻: 17 ページ: 7-9

  • [図書] 瀬戸内圏の干潟生物ハンドブック2011

    • 著者名/発表者名
      一見和彦, 多田邦尚, 大田直友, 河井崇, 吉田一代, 滝川祐子
    • 総ページ数
      93
    • 出版者
      恒星社厚生閣

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公開日: 2012-07-19  

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