研究課題
平成20年度は夏期に、調査対象地であるヨルダンおよびレバノンに渡航し、資料収集と聞き取り調査を行った。資料収集はレバノン国内の首都ベイルートで主に行い、レバノン国籍法および南部国境地帯の歴史・地誌などに関する文書資料(アラビア語および英語)を収集した。これらは日本国内では入手が困難な貴重資料が大半を占める。またレバノンでは、ベイルート・アメリカン大学(AUB)のサリ・ハナフィー教授など著名なパレスチナ研究者から、研究調査上の重要な助言をいただいた。その結果に基づき8月中旬には、実際にレバノン南部の町ティール(アラビア語名「スール」)周辺部で、短期の聞き取り調査を行うことができた。内容は、1990年代に実際にレバノン国籍を取得した人々を対象とする意識調査である。対象者の選定および調査の同伴では、レバノン国内のローカルNGOである「パレスチナ人権組織(Palestinian Human Rights Organization)」の協力を得た。同組織は、研究実施計画の段階ですでに調査協力を依頼しており、レバノン国内のフランス系研究機関に対する協力実績もあることから、順調に調査を終えることができた。調査の成果については日本国内、およびレバノン、マレーシアでの国際会議の場で口頭発表を行った。ヨルダンでは、ヨルダン大学戦略研究所(Center for Strategic Studies)に所属する研究員と連絡をとり、研究相談を行った。こちらではクウェートの国籍取得者に関する今後の調査の手法についても検討を行っている。国籍法および市民権については、理論面でも先行研究の調査も進めており、成果の一部は小論の形で執筆し、機関紙に掲載された。
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