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2010 年度 実績報告書

インドネシア華人の再移民と中国・香港・台湾-バンカ・ブリトゥン州を起点に-

研究課題

研究課題/領域番号 20710187
研究機関京都大学

研究代表者

北村 由美  京都大学, 東南アジア研究所, 助教 (70335214)

キーワードインドネシア / 華人 / 帰国華僑
研究概要

本研究は、1950年代以降におけるインドネシア華人の再移民の実態を捉えることを目的としている。グローバル化が進み中国のプレゼンスが増す現代社会において、世界最多の華人人口を抱える東南アジアから中国への再移民は、中国から東南アジアへの新移民同様、中国と同地域の関係性を理解する上で重要なファクターである。本研究は、バンカ・ブリトゥン州出身者をはじめとするインドネシア華人が中国・香港・台湾へ再移民し、生活し、新たなネットワークを形成する過程を実証的に検証することで、インドネシアをはじめとする東南アジアにおける国家・制度・人の重層性と中国のプレゼンスを歴史的・地理的に解明することが可能になると考えている。本年度は、香港におけるバンカ・ブリトゥン州バンカ島出身のインドネシア華人に関して現地調査を行った。現在香港に在住するバンカ島出身のインドネシア華人の多くは、他の地域のインドネシア華人同様1959年と1960年に中国が派遣した帰国華僑向けの船に乗り、中国に「帰国」した。その後、文化大革命を経て、多くは香港へと再移動した。彼らの、香港の新界に居住し、バンカ時代の華文学校の校友会およびバンカ島出身者の同郷協会を立ち上げ、ネットワーク内の相互互助を行うと同時に、民主化を迎えた故郷とのコミュニケーションも再開している。これらの組織は基本的には、バンカ島出身者を対象としているが、マレーシアやジャワ島など他地域からの華人も含めた帰国華僑のゆるやかな互助組織となっており、再移民特有のネットワーク形成を行っていることが分かった、
本年度はまた、別予算にて同時期にオランダに移動したインドネシア華人の詳細なライフヒストリー調査を行った。今後は、これまで行ってきたインドネシア・香港・オランダ調査の結果を照らし合わせることによって、同時期におけるインドネシア華人の移動のダイナミクスとその社会的背景を明らかにし、一国のナショナルヒストリーからは明らかにできない、歴史の諸相を解明していきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ポスト・スハルト期インドネシアにおける華人の動向から2010

    • 著者名/発表者名
      北村由美
    • 学会等名
      東南アジア学会
    • 発表場所
      愛知大学豊橋校舎
    • 年月日
      2010-06-06

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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