研究課題
現代社会において、資源を巡る争いはローカル、ナショナル、グローバルの各レベルで激しさを増しており、これらの対立を協調へと導く制度や規範の生成が焦眉の課題となっている。本研究では、東南アジア大陸部(主にタイ)と島嶼部(主にインドネシア)における様々な資源(森林・プランテーション、鉱物資源など)を事例として、資源を巡る対立と協調に関連する政治的なプロセスを明らかにする。また、それらのプロセスが持つ多元性と固有性、ひいては経路依存性を考慮しつつ、対立から協調への移行プロセスを提示することで、地域に固有で多元的なガバナンスのあり方を検討する。昨年度は、以下の三点に関する研究活動を実施した。第一に、資源を巡る対立や資源紛争、協調、集合行為、ガバナンスを扱った文献をサーベイし、その理論的含意を再検討することで、東南アジア大陸部と島嶼部を比較するいくつかの軸を設定した。第二に、研究対象とする資源を、まずはパルプ用材、ゴム、油ヤシ、サトウキビ、茶などのプランテーション作物に絞った。そして、この分野の既存研究であるポリティカルエコロジー論とエコロジー近代化論を批判的に援用しながら、パルプ産業の原料調達システムの成立過程を上述の比較軸に基づいて再検討した内容を、ワーキングペーパーとして出版した。第三に、現地の研究機関と研究受入の交渉を行うと同時に、予備的な調査、資料収集を行うことによって、調査対象地の一つを決定した。
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Wil de Jong (ed.), Forest Policies for a Sustainable Humanosphere CIAS Discussion Paper No.8
ページ: 57-63
Proceedings of The Second International Conference of Kyoto University Global CUE Program, In Search of Sustainable Humanosphere in Asia and Africa, "Biosphere as a Global Force of Change (in press)
Proceedings of Thinning as an Essential Management Tool of Sustainable Teak Plantation (in press)