本研究は、滋賀県の近現代における在日朝鮮人の歴史、および滋賀県の近現代史にとって植民地朝鮮が持った意味を明らかにするための基礎的研究を行うことを目的とする。同時にその作業を通じ、「地域」から「世界史」を見通すこと、「地域」における歴史の記憶と忘却の有り様を考察することを目的とする。本研究が扱おうとする問題系は大きく二つある。一つは「地域史」にとっての「外地」という問題、もう一つは「地域史」にとっての在日朝鮮人という問題で、両方とも人やモノの越境が伴う。これらの問題について、6つのサブテーマを設定し、滋賀県という地域に即して実態を解明し、理論的考察を行う。
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