当初の目的に沿って、ジェンダー統計論の視覚を基礎に置きながら、一定程度進めることができた。(1)男女間賃金格差の検討では、要因分解手法の内在的限界を提示し、より正確な分析結果を導き出すことに貢献できた。(2)収入構造および夫妻の収入比率の日英比較では、日英のミクロデータを使い、先行研究の弱点・不足点を克服して、労働市場および世帯においてジェンダー平等が、日本よりイギリスで進んでいることを確認した。さらに低所得層における男女格差の分析を進めた。(3)男女の賃金/収入に関する政府統計の調査票や集計方法等の改善すべき点を明らかにした。
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