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2009 年度 実績報告書

心の哲学と知識の哲学―近代イギリス哲学と現代哲学の比較を手がかりにして

研究課題

研究課題/領域番号 20720003
研究機関京都大学

研究代表者

戸田 剛文  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 准教授 (30402746)

キーワード哲学 / 認識論 / 心理学 / イギリス経験論 / 心の哲学
研究概要

本研究では、平成20年度に、「知覚の対象を直接に知覚する」という概念が、近代におけるデカルトからロック、バークリを経由し、リードにいたるに過程で変化していることを指摘したが、平成21年度には、この研究成果を踏まえて、近代における「知識」の概念もまた大きく変貌していることを明らかにした。より詳細にその内容を説明すると、近代哲学の祖デカルトは、方法的懐疑を利用し、知識の確立を目指したが、彼は、知識には確実性が含まれなければならないという強い知識概念を展開した。その後、いわゆるイギリス経験論として知られているロック、バークリ、ヒューム、そしてスコットランド常識学派の代表者であるリードは、いずれも少なからずデカルトからの影響を受けているが、彼らは、そのそれぞれの認識論的枠組みの中で、デカルトとは違う知識概念を実際には採用しているということが、本研究の指摘するところのものである。さらに、本年度は、認識論への一種の生理学とでも言える議論の導入が、この知識概念の変更を促していることを指摘している。つまり、バークリにおける視覚理論や、トマス・リードにおける感覚と知覚の分離、知覚を感覚が示唆するという心的なメカニズム、このような現代の心理学の基礎と言えるようなものが展開されたとき、それを知識生成の一部とする議論が展開されたとき、知識概念はより緩やかになったということをこの研究では指摘している。本研究は、これを近代における認識論の自然化として描いた。また、まだとりあげられることの少ない連合心理学の祖と呼ばれるデイビッド・ハートリをとりあげ、上記の枠組みの中に位置づけたことも、本研究の重要な成果である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Transition of the Conception of Knowledge : From Descartes to Reid2010

    • 著者名/発表者名
      Takefumi TODA
    • 雑誌名

      Menschenontologie 16(印刷中)

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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