日本における「死者」の観念をめぐる倫理思想史的研究～神仏観念との関わりを中心に～

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20720005
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 哲学・倫理学
• 研究機関: 静岡県立大学
• 研究代表者: 吉田 真樹 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (20381733)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2011
• キーワード: 死者 / 霊魂 / 神 / 仏 / 古事記 / 日本霊異記 / 源氏物語 / 平田篤胤

研究概要

本研究では倫理学・日本倫理思想史の観点から「死者」について、古代では『古事記』が死後の霊魂を極力叙述せず、『日本霊異記』が仏教教義に反して死後の霊魂を前提としたこと、中世では『源氏物語』が生霊と死霊とを恋において連続的に把握し、謡曲が成仏を望む死霊と望まない死霊を設定したこと、近世では平田篤胤が庶民仏教の死後霊魂観に対抗して神道に死後の霊魂を導入し、近代の排仏的柳田國男と親仏的折口信夫の霊魂論を準備したことを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] 六条御息所の生霊化の基底について (2012)
  • 著者名/発表者名: 吉田真樹
  • 雑誌名: 季刊日本思想史(ぺりかん社)
  • 査読あり
• [雑誌論文] 倫理学・日本倫理思想史の観点からみた「日本意識」 (2012)
  • 著者名/発表者名: 吉田真樹
  • 雑誌名: 国際日本学(法政大学国際日本学研究所) 巻: 第9号 ページ: 69-78
• [雑誌論文] 近世庶民仏教思想と和辻思想史図式の捉え直し(中)～『阿弥陀の胸割』を中心に (2011)
  • 著者名/発表者名: 吉田真樹
  • 雑誌名: 思想史研究(日本思想史・思想論研究会) 巻: 第14号 ページ: 1-9
• [雑誌論文] 近世庶民仏教思想と和辻思想史図式の捉え直し(上) (2010)
  • 著者名/発表者名: 吉田真樹
  • 雑誌名: 思想史研究(日本思想史・思想論研究会) 巻: 第12号 ページ: 1-11
• [雑誌論文] 『日本霊異記』冒頭話の孕むもの(下) (2010)
  • 著者名/発表者名: 吉田真樹
  • 雑誌名: 思想史研究(日本思想史・思想論研究会) 巻: 第11号 ページ: 1-9
• [雑誌論文] カオナシのゆくえ (2009)
  • 著者名/発表者名: 吉田真樹
  • 雑誌名: 本(講談社) ページ: 52-54
• [学会発表] 霊魂のゆくえ (2011)
  • 著者名/発表者名: 吉田真樹
  • 学会等名: 全国教育関係神職協議会全国大会
  • 発表場所: 静岡県神社庁(静岡市)
  • 年月日: 2011-08-05
• [学会発表] 倫理学・日本倫理思想史の観点からみた「日本意識」 (2010)
  • 著者名/発表者名: 吉田真樹
  • 学会等名: 法政大学国際日本学研究所「国際日本学の方法に基づく<日本意識>の再検討-<日本意識>の過去・現在・未来」プロジェクトのアプローチ(1)「<日本意識>の変遷-古代から近世へ」2010年度第1回研究会
  • 発表場所: 法政大学市ヶ谷キャンパス80年館7階会議室・角
  • 年月日: 2010-10-09
• [学会発表] 『霊の真柱』における天・地・泉-死の空間の近代化 (2008)
  • 著者名/発表者名: 吉田真樹
  • 学会等名: 日本思想史学会2008年度大会パネルセッション「日中韓における洋学の伝来と「天」観念の変容」
  • 発表場所: 愛知教育大学
  • 年月日: 2008-10-19
• [学会発表] 平田篤胤對於「死」的空間之論述-與「天」.「地」.「泉」的關係」(陳昭心訳。日本語タイトル「平田篤胤における「死」の空間-「天」・「地」・「泉」との関わりにおいて」) (2008)
  • 著者名/発表者名: 吉田真樹
  • 学会等名: 國際學術研討會「天、自然與空間」(日本「東亞的文明衝突與"天"觀念的演變」研究班・國立清華大學人文社會研究中心・國立臺灣大學中國文學系共催)
  • 発表場所: 台湾大学
  • 年月日: 2008-09-25
• [図書] 平田篤胤-霊魂のゆくえ (2009)
  • 著者名/発表者名: 吉田真樹
  • 総ページ数: 275
  • 出版者: 講談社