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2009 年度 実績報告書

ユダヤ教超正統派における反シオニズム・イデオロギーの形成と変容

研究課題

研究課題/領域番号 20720014
研究機関大阪大学

研究代表者

赤尾 光春  大阪大学, 人間科学研究科, 特任助教 (90411694)

キーワードユダヤ教超正統派 / シオニズム / イスラエル / ディアスポラ
研究概要

当該年度における研究活動の最大の成果は、申請者が編者を務めた論文集『ディアスポラから世界を読む』(明石書店)の出版である。これは「ディアスポラ」をキーワードにさまざまな地域や分野を横断的に結びつける若手研究者らによる試みである。この中で、申請者は、本科学研究費による研究テーマである超正統派ユダヤ教の事例を軸にした論考「追放から離散へ-現代ユダヤ教における反シオニズムの系譜」を執筆し、ユダヤ教における「追放」(ガルート)概念と一般的にユダヤ人の離散について語られているディアスポラ概念とのズレと原理的な緊張関係を辿りつつ、超正統派のイデオロギーと実践の変容過程を概観する作業を行った。これにより、現代ユダヤ教とシオニズム/イスラエル国家との縺れた関係を先鋭化させるとともに、こうした研究が、いわゆるディアスポラ文化全般との比較においても理論的に貢献しうることが明らかになった。本論文集については、『図書新聞』(2009年9月19日)、『週刊金曜日』(2009年7月24日)、『アジア太平洋研究センター年報』第7号、『ナマール』(神戸・ユダヤ文化研究会)14号ほかで好意的な書評が寄せられた他、拙論についても「今後ディアスポラという概念の起源と用法の変遷が問われるとき、基本的に参照されるべき貴重な論文」(細見和之氏)との評価が得られた。
また、年度末には1週間ほどエルサレムのヘブライ大学にて資料収集を行い、主としてシオニズム関連資料とユダヤ教超正統派の反シオニズム闘争に関係する資料を入手した。なお、当初計画していた書籍の刊行化については、上記論文集や『ユダヤ人と国民国家』(岩波書店)所収の拙論等を通して、出版社の目処もついたことを付言しておきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 東ヨーロッパ世界における「ユダヤ人信仰」の痕跡を辿る2010

    • 著者名/発表者名
      赤尾光春
    • 雑誌名

      大阪大学グローバルCOEプログラム「コンフリクトの人文学国際研究教育拠点」2007-2009報告書

      ページ: 136-150

  • [学会発表] 東欧ユダヤ人街(シュテトル)の空間認識論について2010

    • 著者名/発表者名
      赤尾光春
    • 学会等名
      比較都市学国際シンポジウム「都市とユダヤ性」
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2010-03-12
  • [図書] ディアスポラから世界を読む-離散を架橋するために2009

    • 著者名/発表者名
      臼杵陽[監修]、赤尾光春・早尾貴紀[編著]
    • 総ページ数
      464
    • 出版者
      明石書店

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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