研究概要 |
本研究の目的は、国連における宗教の役割を考察することである。国連を基盤とする諸宗教者・宗教団体の協力関係、宗教団体による国連の平和構築、人道支援活動などへの貢献について調査を行った。そのために、2009年4月にインドにおける世界宗教者の集会に出席し、宗教者の平和活動や社会事業について彼らにインタビュー調査を行った。当会議では、世界が直面する様々な問題(環境破壊、国際紛争、テロ、原理主義など)について宗教者による意見交換、問題解決への模索、共同宣言などが行われた。さらに、5月に、国連のニューヨーク本部で調査を行った。国連本部を拠点にして活動を行っている宗教団体について考察し、関係者と聞き取り調査を行った。特に、国連本部での宗教団体や宗教系NGOによるロビー活動、戦争や自然災害の際の緊急支援などを通じて国連との協力関係に注目した。国連では、キリスト教系の宗教団体やNGOが大きな勢力を持っている。本調査はUnitarian, Quakers, United Methodistsなどのキリスト教系の宗教団体について考察し、これらの教団の国連代表者とインタビュー調査を行った。とりわけ、Church Centerの設立、国連との関係などについて調査した。また、国連における日本の宗教団体の活動にも注目した。創価学会、立正佼成会、妙智会などの日本の新宗教系NGOの国連代表とのインタビューなどを通じてこれらの教団の国連における活動について情報を収集しました。さらに、世界平和、紛争解決や人道支援のために様々宗教間の協力(諸宗教協力)についても考察を行った。様々な諸宗教組織、例えばUnited Religious Initiative, Religions for Peaceなどについて調査を行った。また、国連本部の図書館にて、宗教関連の資料を収集した。
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