本研究は、CGIと実写映像の融合を推進するがゆえに、21世紀初頭のスペクタクル映画をもっとも象徴するモーション・キャプチャーについて、以下を明らかにした。1・その歴史的起源が1880年代の前映画史的時代にあること。2・視覚性の優位として批判されるCGI表現が演出技法としても成立していること。3・従来映画の主流であると考えられてきた実写物語映画は動画の領域の一部でしかないこと。以上の結果から、物語叙述の中心である俳優身体がCGIを纏うことによって物語映画にもたらす変容について、さらなる考察が必要であることが判明した。
|