研究課題
本年度は、2組の洋舞のダンサーの4種類の舞踊動作をモーションキャプチャで収録するとともに、取得済みの日本舞踊のモーションキャプチャデータを用いて解析作業を進めた。取得済みの日本舞踊動作の解析手法とその結果について5件の学会発表を行い、うち2件については論文誌に掲載された。本年度は、様々な動作に適用できる物理量から算出される4つの質評価指標を作成・提案し、その利用法について研究を進めた。延べ584個の動作セグメントを対象に4質評価指標の有効性と課題を確認した。その結果、同じ被験者の日本舞踊動作4種類、歩行、ラジオ体操の質評価指標を検討した結果、異なる動作の質の把握に有効である可能性が示された。異なる動作の質の把握には洋舞等の様々な動作のデータを含めた検討によってより明確な結論が導き出せると考えている。また、質評価指標を用いることで、同じ振りをしている被験者複数人の動作を比べた際に、それぞれにどのような違いがあるかが比較的容易に判別できることが分かった。質評価指標はマーカ数×時間(フレーム数)のデータ(1344〜48132)を4個の値にできるため、非常に簡便な指標となっている。また質評価指標だけでは動作の特徴がすぐに把握できない場合には、質評価指標のもとになった物理量の時系列グラフを参照することによって特徴が把握できることが分かった。舞踊研究者にとって膨大なモーションキャプチャデータのどこをどう見れば良いのかは難問であるが、質評価指標を用いた段階的な解析法によってモーションキャプチャデータを用いた舞踊研究に一定の指針ができたと考える。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)
第33回ファジィワークショップ論文集
ページ: FW88-FW91
人文科学とコンピュータシンポジウム論文集 Vol-2008, No.15
ページ: 249-256