本研究は2008年度から2年間にかけて行われ、各年度における研究成果は次の通りである。【2008年度】映画や出版といった都市大衆文化が開花した1920年代以降の<サラリーマン>表象を、主に雑誌『サラリーマン』を中心に抽出作業を行った。また戦後の高度成長期における<サラリーマン>の心情分析を、山口瞳による小説『江分利満氏の優雅な生活』に描かれた戦中派のサラリーマン表象から行った。【2009年度】文献調査の深化を引き続き前期で行い、後期では米国メリーランド州立大学図書館、プランゲ文庫を訪れ、同図書館所蔵の占領期に撮影された写真から、東京における<サラリーマン>の姿が戦後の大衆的表象へと連なる過程を調査した。
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