本研究計画では、日本におけるオスカー・ワイルドの戯曲の受容について比較文学・比較文化的研究を行う。具体的には、比較的受容度が高い悲劇作品『サロメ』と受容度が低い喜劇作品『ウィンダミア卿夫人の扇』『つまらない女』『理想の夫』『真面目が肝心』が置かれてきた対照的な状況に着眼し、更に、必要に応じて戯曲のみならず関連作品の受容についても視野に入れて考察を進め、日本におけるワイルド劇の受容像の構築を試みる。また、受容研究と関連づけてワイルドの喜劇と悲劇の本質的な相違を追究することで、ワイルド劇の再評価を行う。
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