この研究の第一の目的は、キャサリン・マンスフィールド(Katherine Mansfield)が他の多くのモダニスト作家に先駆けてアンリ・ベルクソン(Henri Bergson)の哲学に関心を示したことに着目し、マンスフィールドの短編小説のベルクソン的傾向について論じるとともに、マンスフィールドが英語文学の分野においてモダニズムの発展の過程で果たした役割を明らかにすることである。同時に、第二の目的として、ベルクソンの哲学が本人の生前から今日に至るまでいかに評価され、誤解されてきたかを分析しながら、モダニズム文学とベルクソン哲学との関係を明確にする。
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