研究概要 |
Mark Twainと紙幣の関係について、Twainの同時代人である合衆国大統領Ulysses Grantとの関係から、Grantの人生を取り込んだ未完の作品"Which was the Dream?"を題材に考察。bimetallismに関する議論と同時に、サインと主体をめぐる混乱の様子をトウェインによるホーラス・グリーリーのサインの偽造も交えつつ考察。マーク・トウェイン協会でのシンポジウム「マーク・トウェインと資本主義」で口頭発表。活発な議論を受けてさらに考察を深める。2010年度に協会発行のジャーナルに論文版掲載予定。 本発表では19世紀末の貨幣の本位をめぐる議論とトウェイン作品を関係づけたが、その成果はそのまま、この次の課題として考察中のFrank Baum,Wonderful Wizard of Ozをめぐる論考の土台となると思われる。bimetallismをめぐる議論のアレゴリーとして読まれるこの作品にいかに「紙幣」の影を読み込むかが、現在の課題である。
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