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2010 年度 実績報告書

アメリカ小説の想像力と紙幣制度変遷に見られる相互関係

研究課題

研究課題/領域番号 20720085
研究機関甲南大学

研究代表者

秋元 孝文  甲南大学, 文学部, 教授 (70330404)

キーワードアメリカ小説 / 貨幣
研究概要

4月 前年度、日本マーク・トウェイン協会シンポジウムで行った発表をもとに「マーク・トウェイン 研究と批評』に「トウェインの書いたユリシーズ・S・グラントのサイン-『どちらが夢か?』とサイン・主体・金銀複本位制-」掲載。トウェインの未完の短編を題材に、サインの偽造による主体の強奪と貨幣制度の二重性とのアナロジーを読み込む。
7月 甲南英文学会で『オズ』論「紙の上のエメラルド・シティ-The Wonderful Wizard of Ozと紙幣制度」を口頭発表。『オズ』を19世紀末貨幣論争のアレゴリーとするLittlefield以降の読みに、新たに紙幣のグリーンを加え,また19世紀末の実際の銀兌換紙幣の題材となった電気や蒸気といったテクノロジーが作品にも共鳴している様子を指摘、加えてそれがきわめて紙幣的な身振りであり、最終的にはその紙幣を象徴する色のみが生き残ることに、紙幣制度の統一との共鳴を読み込み、従来の研究を一歩前進させることを試みる。これをもとにした論考をのちに『アメリカ研究』へ投稿、採用決定し23年発行号に掲載予定。これまで19世紀中心だった本研究計画を次年度より20世紀に移行させていくうえで、橋渡しとなる重要な論考と位置づけている。
9月 米国カリフォルニア(UC Berkeleyなど)でリサーチ。
リサーチの成果をもとにHerman Melville "Bartleby,the Scrivener"論のための考察を継続。マルクスの「価値形態論」を援用した"Bartleby"の新たなる読解へ向け鋭意構想中であり、23年度内に論文としてまとめた上で、24年度、学会誌に投稿の予定。また、新たにJack KerouacなどのBeat作家を本研究の題材として取り上げる可能性も着想し、現在、資料の読解を元に検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] トウェインの書いたユリシーズ・S・グラントのサイン2010

    • 著者名/発表者名
      秋元孝文
    • 雑誌名

      マーク・トウェイン研究と批評

      巻: 9 ページ: 33-41

  • [学会発表] 紙の上のエメラルド・シティThe Wonderful Wizard of Ozと紙幣制度2010

    • 著者名/発表者名
      秋元孝文
    • 学会等名
      甲南英文学会
    • 発表場所
      甲南大学
    • 年月日
      2010-07-03

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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