研究概要 |
ともに紙に印刷されたフィクションでああり、読まれて初めて意味を発生するテクストであるという共通性のもとに、アメリカにおける紙幣史の変遷とアメリカ小説の想像力の変遷にパラレルな関係を見出し、これまで顧みられることのなかった経済と文学の相互関係に光を当て、アメリカ文学研究の新たな地平を切り開くことを目標とする。 科研費交付以前に発表したJ.S.G.Boggs論、Horatio Alger論、Benjamin FranklinとWilliam Burroughs論に引き続く形で、19世紀アメリカ文学としてMelville,Twainを取り上げ、引き続き20世紀作家としてFrankBaum,Scot Fitzgerald,Joseph Heller,William Gaddis,Paul Auster,RichardPowersについての各論によって、貨幣や紙幣を通してアメリカ文学史を通時的に読み解く。これらの各論から紙幣と小説の想像力が互いに影響を与えていたということを導きたい。
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