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2008 年度 実績報告書

シェイクスピア悲劇の主人公達が有していた道化的性格の究明

研究課題

研究課題/領域番号 20720086
研究機関広島女学院大学

研究代表者

五十嵐 博久  広島女学院大学, 文学部, 准教授 (20300634)

キーワードシェイクスピア / ハムレット / コンシェンス
研究概要

平成20年度は、特に、オセローとハムレットに注目し、その道化的性格の分析を行った。特に後者ついての考察を深めてゆく過程で、シェイクスピアが提示する"conscience"(良心)が、悲劇的人物像の内面性を特徴付ける意識であると同時に、道化の特質であるvice的な性格を特徴付ける意識でもあるという興味深い事実に気がついた。
そのような理由から、今年度は、オセローとハムレットの性格研究を遂行する傍ら、ハムレットの"conscience"の二面性について詳しく調べ、第61回日本英文学会中国四国支部大会にて研究発表を行った。また、その内容を所属先の学科紀要である『広島女学院大学英米言語文学研究』に研究成果として報告した。論考では、ハムレットの憂鬱の背後に見える"conscience"は、ハムレットの行動を、聖なる方向へと向かわせていると同時に、(二人の友人を死に至らしめる行動などの)悪事へと駆り立ててもいるという事実を論じている。
本助成による研究の目的の一つが、ハムレットなどの悲劇的人物が初演当時に有していた道化的な性格の究明であるが、現在では想像もつかないものが、道化的性格を示唆する記号であることが、古典文学研究ではよくある。本年度の研究成果は、その表題だけを見れば、一見、研究課題から乖離しているように見える。しかし、それは、悲劇的人物の有していた道化的性格を示唆する記号解読の一つとして数えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ハムレットの"conscience"に関する一考察2009

    • 著者名/発表者名
      五十嵐博久
    • 雑誌名

      広島女学院大学英米言語文化研究 17

      ページ: 1-22

    • 査読あり
  • [学会発表] ハムレットの"conscience"に関する一考察2008

    • 著者名/発表者名
      五十嵐博久
    • 学会等名
      第61回日本英文学会中国四国支部大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2008-11-01

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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