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2011 年度 実績報告書

日本語の活格性にまつわる記述的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20720119
研究機関成城大学

研究代表者

竹内 史郎  成城大学, 文芸学部, 准教授 (70455947)

キーワード日本語 / 活格性 / 格標示 / 無助詞名詞句 / 古代日本語 / 助詞イ / 石垣法則
研究概要

本年度の主要な研究成果として、(a)「古代語の動作主標識をめぐって-助詞イと石垣法則-」、(b)「古代日本語の主節の格標示体系-活格性との関わりから-」と題したものがあげられる。
これまでの研究において、動作主標識と捉えられている現象に助詞イと石垣法則(第二則)があるが、助詞イについては、その他の有力な説が存することや、動作主標識としての根拠が十分に示されていないこと等があり、未だ確かな説であるとは言えない。また、石垣法則(第二則)についても、近藤泰弘氏の研究があるのみで、その後の展開がほとんどなく進展が望まれる。こうした状況をふまえ、(a)では、動作主標識と助詞イないし石垣法則との関係について今日的な解釈を行った。結論として、助詞イにおいては、動作主標識としての根拠を与え、石垣法則においては逆に動作主標識として成り立たないことを示した。なお、(a)の論考は、高山善行・福田嘉一郎・青木博史(編)『日本語文法史研究』(ひつじ書房)にて、近く公刊の予定である。
(b)は、「コーパス日本語学ワークショップ」で行った口頭発表である。土左日記、大和物語等を資料とし、主語や目的語として現れた無助詞名詞句の振る舞いについて考察を加えた。結論として、古代日本語の主節では、<動作主>主語と<対象>主語の振る舞いが異なり、<対象>主語はむしろ他動詞文の目的語と同様に振る舞うこと、古代日本語の無助詞名詞句は意味役割によってその振る舞いが決定されていること等が明らかになった。さらには、無助詞目的語とヲ格目的語の統語上の振る舞いの違いにも言及し、こうした無助詞目的語とヲ格目的語の振る舞いの違いが、古代日本語の無助詞名詞句の振る舞いが意味役割により決定されていることの根拠となり得ると述べた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 不透明化しつつある「国語」という概念2011

    • 著者名/発表者名
      竹内史郎
    • 雑誌名

      成城教育

      巻: 157号 ページ: 4-9

  • [雑誌論文] 近代語のアスペクト表現についての一考察-ツツアルを中心に-2011

    • 著者名/発表者名
      竹内史郎
    • 雑誌名

      日本語文法の歴史と変化(青木博史(編))(くろしお出版)

      ページ: 151-173

  • [学会発表] 古代日本語の主節の無助詞名詞句-活格性との関わりから-2012

    • 著者名/発表者名
      竹内史郎
    • 学会等名
      コーパス日本語学ワークショップ
    • 発表場所
      国立国語研究所
    • 年月日
      2012-03-05
  • [学会発表] 日本語のアスペクト形式の主観性と主観化2011

    • 著者名/発表者名
      竹内史郎
    • 学会等名
      国立国語研究所共同研究プロジェクト「日本語文法の歴史的研究」
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2011-08-30

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公開日: 2013-06-26  

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