本研究の目的:交付申請書に記載した通り、本研究の目的は、近代日本語のテンス・アスペクト・モダリティ体系の変遷を記述することにある。 具体的な内容:近代日本語のスタート地点ともいえる、中世末期日本語において、~テイル、スル、~ウ・~ウズ(ル)によって構成されるテンス・アスペクト・モダリティ体系の基本部分を明らかにした。この論証には、目的節(~タメ(ニ))と原因・理由節(~ホドニ、~ニヨッテ、~トコロデ)を利用している。加えて、現代日本語と対照することで、体系の変化の過程を明らかにした。 研究成果の公表:研究実施計画に沿う形で研究を進め、その成果を日本語学会2008年度春季大会(於:日本大学文理学部)で発表した。その後、日本語文法学会学会誌『日本語文法』に投稿した(現在、審査中である)。 意義:中世末期日本語のテンス・アスペクト・モダリティ体系を明らかにしたことで、テンス・アスペクト・モダリティ体系の変遷が考察可能となり、交付申請書の記載通り、他言語との対照が可能となった。 重要性:「近代日本語の歴史的変化を類型論的な観点から記述する」という研究が現実的なものになった。この点、非常に重要であるといえる。次のステップとしてはこれらの成果を英語の論文にまとめたい。
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