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2010 年度 実績報告書

ブラジルにおける日本語教育史構築のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20720140
研究機関岡山大学

研究代表者

中東 靖恵  岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (90314658)

キーワードブラジル / パラグアイ / 南米の日系社会 / 言語接触 / 言語変容 / 海外の日本語 / 日本語教育史 / 戦後移民
研究概要

本年度は主に1950年代後半~1970年代までを対象として資料収集を行った。この時期は、第二次世界大戦が終結し、日本の敗戦による「勝ち組負け組」抗争という混乱期を経た後、祖国への帰国を諦め、ブラジルの地に永住を決意し、「ブラジルの日本人」としての新たなアイデンティティを析出していく時期である。戦前には「在伯同邦」などと呼んでいた日系社会を次第に「コロニア」と呼び始め、「日伯混合語」などと呼んでいたポルトガル語混じりの日系人の日本語を「コロニア語」と呼び、日本の日本語とは違うブラジルの日本語の独自性を見出し、その存在意義を積極的に認めていった。このような日系人の意識の変化は、1960年代に発刊された「コロニア版教科書」と呼ばれる日系子弟のための日本語教科書に体現されることとなった。だが、70年代に移民の時代が終焉を迎えると、世代交代、職業の多様化、都市部への人口集中、高学歴化、非日系との結婚など、日系人の生活も大きく様変わりし、日本語からポルトガル語へ大きく言語シフトしていく中で、新たな日系コロニアの在り方を模索する必要に迫られ、それとともに従来の「日系子弟のための日本語教育」が揺らぎ始めていった。このようなブラジルにおける日系社会と日本語の位置づけの歴史的変遷について、「ブラジルの日系社会と日本語:南米日系社会における日本語の変容」(広島・方言研究会,2011年3月5日)として研究発表を行った。また、戦前移民の多いブラジルと対照的なフィールドとして、戦後移民が多くを占めるパラグアイにおいて行った調査の結果は、「パラグアイ日系社会におけるアクセントの継承と変容」(日本方言研究会第90回研究発表会,2010年5月28日:『社会言語科学』13(2)に掲載)、「パラグアイ日系社会における言語継承と言語生活の背景」(長野・言語文化研究会,2011年2月12日)として発表を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] パラグアイ日系社会におけるアクセントの継承と変容-パラグアイの広島県人家族を対象に-2011

    • 著者名/発表者名
      中東靖恵
    • 雑誌名

      社会言語科学

      巻: 13(2) ページ: 72-87

    • 査読あり
  • [学会発表] ブラジルの日系社会と日本語-南米日系社会における日本語の変容-2011

    • 著者名/発表者名
      中東靖恵
    • 学会等名
      広島・方言研究会
    • 発表場所
      県立広島大学
    • 年月日
      2011-03-05
  • [学会発表] パラグアイ日系社会における言語継承と言語生活の背景2011

    • 著者名/発表者名
      中東靖恵
    • 学会等名
      長野・言語文化研究会
    • 発表場所
      松本市あがたの森文化会館
    • 年月日
      2011-02-12
  • [学会発表] パラグアイ日系社会におけるアクセントの継承と変容-パラグアイの広島県移民とその家族を対象に-2010

    • 著者名/発表者名
      中東靖恵
    • 学会等名
      日本方言研究会第90回研究発表会
    • 発表場所
      日本女子大学
    • 年月日
      2010-05-28

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公開日: 2012-07-19  

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