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2008 年度 実績報告書

異文化コミュニケーションの史的研究-ヴィンチェンツォ・チマッティと日本語-

研究課題

研究課題/領域番号 20720143
研究機関サレジオ工業高等専門学校

研究代表者

村田 昌巳  サレジオ工業高等専門学校, 一般教育(文系), 講師 (40390471)

キーワード日本語教育 / 異文化コミュニケーション / 日本語学 / 言語学
研究概要

1926(大正15)年に宣教師団を率いて来日したサレジオ会神父ヴィンチェンツォ・チマッティが、来日後どのように日本語の習得に取り組んだのかを明らかにするのが本研究の主目的である。
平成20年度は「チマッティ神父日本語学習関係文献収集及びその内容に関する記述」を計画の柱とした。資料の収集・分析を通して、チマッティ神父の日本語学習の方法・環境に関して、下記の興味深い事実が判明した。1)教材として尋常小学校用教科書(読本)を使用した、2)イタリア語を解する日本人が周囲にいなかったため、先に到着滞在していたフランス人宣教師やフランス語を解する日本人から、フランス語を媒介言語として教授を受けた、3)46歳での来日ながら粉骨砕身の努力をもって日本語の知識獲得を目指し、さらには自身の音楽的教養・技術を駆使して、日本語詩にメロディをつけて学ぶ独自の日本語学習スタイルも構築した。
母国語学習(国語教育)用教材を使用し、日本語でもイタリア語でもない、第三の言語たるフランス語を介して教育を受けたという点で、現在の一般的な外国人対象日本語教育とは大きく異なる学習の方法・環境である。チマッティ神父の日本語習得が、そのような方法・環境の限界を超えた達成を果たしているとするならば、そこには布教に対する「志」という高いモチベーションが作用していると見るべきであろうし、また、上述の音楽を効果的にとり入れた学習というような創意工夫の成果とも考えられる。
今後は、引き続きチマッティ資料館館長ガエタノ・コンプリ神父よりご協力とご助言を賜りつつ、チマッティ神父の日本語習得過程、とりわけ学習ストラテジーやモチベーションとその効果を、日本語教育のみならず異文化コミュニケーション及び異言語接触の理論に照らしながら掘り下げて検討・検証する予定である。(760文字)

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ヴィンチェンツォ・チマッティと日本語-研究序説-2008

    • 著者名/発表者名
      村田昌巳
    • 雑誌名

      サレジオ工業高等専門学校研究紀要 第34号

      ページ: 19-23

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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