本研究では学術英語能力を土台とした論理的英語運用能力の習得に焦点を当て、キャリア教育としての英語教育の具体的な方向性を示すことを目的としているが、平成22年度は主に第二言語習得における社会文化的アプローチに関する追加文献を分析し、理論的考察法やデータ分析法を再検討した。また、平成21年度に引き続き、アメリカ、イギリス、アイルランドで学ぶ交換留学生のケーススタディを行った。本研究は明らかにする事柄として以下の五項目を挙げている。(1)英語圏の大学の学術英語指導法、(2)日本人交換留学生の学術英語習得法、(3)留学先の非英語母語話者に対する学術英語プログラムの方針と現状、(4)日本の企業で必要とされる英語運用力、(5)キャリアへと繋がる論理的英語能力強化プログラムのありかた。今年度は前述の通り、日本人交換留学生の留学中の学術英語習得に関する調査を主に行い、データの収集とその分析に大幅な時間を費やした。情報提供者となる学生たちの帰国後、就職後の追跡調査を今後行い、英語運用力のみならず専門性を高めキャリアへと繋がる道筋を、派遣留学を中心に組織化すべく考察を重ねる。 平成22年度研究実施内容 平成22年4月- 帰国後の交換留学生の調査 平成22年4月- 第二言語習得における社会文化的アプローヂに関する文献分析 平成22年8月-平成23年3月 留学中の交換留学生へのインタビュー 平成22年12月-平成23年3月 ケーススタディなどのデータ分析
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