研究概要 |
平成20年度は, 日本人英語学習者を研究対象として, 「作文熟達度の異なる学習者の英作文プロセスとプロダクトには, どのような差異があるか明らかにし, 明示的な指導方法を模索する」という事柄を調査した。 具体的には, 英作文のプロセスを測定するための暫定版の質問紙を質的・量的な方法を組み合わせることで作成した(Yamanishi, in press)。加えて, その質問紙を使用した際の結果を踏まえて, 質問紙のさらなる精緻化を行った(Yamanishi, 2009)。精緻化のプロセスでは, (a)質問紙項目の普遍化, (b)項目数の削減, (c)項目のカテゴリー化, (d)回答方法の簡易化どいった作業が行われた。Yamahishi(2009)では,その改善された質間紙を用いて, 日本人英語学習者の英作文プロセスの調査を行った。この研究では, 客観的な標準テストであるGTEC for STUDENTSのライティング・パートの結果を用い, 学習者を3つの熟達度レベルに分けた上で, プロセスの差異を検討した。そして, それぞれの熟達度の学習者の英作文プロセスの傾向差を議論し, 教育的な示唆を得た。 なお, 作文熟達度の異なる学習者の英作文のプロセスに対する分析は書かれた作文量などの計測とともにコーパス用ソフトウェアを用いた分析を行い, 正確さ(accuracy)と流暢さ(fluency)の面からの考察存行った。現在, その結果をまとめ, 学術雑誌に投稿する準備中である。
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