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2008 年度 実績報告書

入明記の史料学的研究に基づく日明関係における大内氏の位置の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20720167
研究機関東京大学

研究代表者

須田 牧子  東京大学, 史料編纂所, 助教 (60431798)

キーワード入明記 / 日明関係 / 遣明船 / 室町政権 / 大内氏 / 日本史 / 中国史
研究概要

本年度においては、第一に、16世紀前半期に派遣された遣明船に関わるまとまった史料群である「策彦入明記録及送行書画類」の撮影を完了し、入明記研究の基盤を整えることができた。第二に15世紀半ばに派遣された宝徳度遣明船についての記録である「笑雲瑞新入明記」の検討を深め、このうち現存する諸本の性格と伝来過程についての考察を「『笑雲瑞訴入明記』の書誌学的研究」と題し、中国杭州市で行なわれた国際シンポジウムで報告した。またこの際、杭州市・舟山市の現地調査を併せて実施し、この成果によって文意が不明であった箇所を修正することが出来た。さらに宝徳度遣明船に関わる史料を数点、収集・翻刻し、「笑雲瑞訴入明記」本体の解題・翻刻・注釈などと合わせて整理して「笑雲瑞訴入明記」出版のための原稿を調えた。細かい修正などを施し、来年度の入稿を目指す予定である。第三に、「笑雲瑞訴入明記」と極めて関係が深い「善隣国宝記」についての検討を行ない、現存最古と予測されていたケンブリッジ大学所蔵の「善隣国宝記」の原本調査を行なった。「善隣国宝記」は室町幕府の外交顧問が作成した外交文書集で、「笑雲瑞訴入明記」はこの付録として伝来したものと考えられている。ただし結論から言えば、ケンブリッジ大学所蔵本は中世末期の形態はとどめているものの、写本としては近世を遡るものではなく、従来の認識と異なり現存最古とは言えないものであることが判明した。またこの調査により現存の「善隣国宝記」には「笑雲瑞訴入明記」を伴うものは一つもないことが確定された。第四に大内氏の京都における活動基盤分析の一環として、奉公衆の大内氏について検討し、これを「加賀の大内氏について」という論文にまとめ公表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 加賀の大内氏について2008

    • 著者名/発表者名
      須田牧子
    • 雑誌名

      山口県地方史研究 99

      ページ: 1-18

    • 査読あり
  • [学会発表] 『笑雲瑞訴入明記』の書誌学的検討2008

    • 著者名/発表者名
      須田牧子
    • 学会等名
      浙江工商大学日本文化研究所主催国際シンポジウム「束アジア文化交流-人物往来」
    • 発表場所
      中華人民共和国杭州市内・杭州湾大酒店
    • 年月日
      2008-07-27

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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