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2008 年度 実績報告書

中世仏教の社会的展開に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20720171
研究機関徳島大学

研究代表者

衣川 仁  徳島大学, 総合科学部, 准教授 (10363128)

キーワード日本史 / 中世 / 仏教
研究概要

本研究の目的は、日本中世における仏教の社会的な展開過程を追いながら、その歴史的意義を明らかにするものである。その場合に考察の中心となるのが延暦寺・興福寺といった権門寺院である。これらの寺院を動かす僧侶集団「大衆」(だいしゅ)が如何に社会に対して力を及ぼし得たかについて考察するための基礎的作業として、本年度は延暦寺および興福寺が関わった暴力事件・強訴関係の史料の調査・収集を行った。具体的には、京都大学文学部古文書室における延暦寺および北嶺強訴関連の文書・古記録(影写本・写真帳)の調査、国立公文書館における興福寺(大乗院門跡)関係の神輿動座に関する記録の調査、また国立国会図書館における「山門三井確執記」などの延暦寺・薗城寺間に発生した闘争に関する調査である。強訴関連の調査では、強訴の前段階で行われた集会(しゅうえ)の実態が明確となり、そこで発給された古文書に表現された権力の構成との関連が明らかとなった。また、延暦寺と薗城寺の闘争に関しては、円珍生前から存在する円仁派・円珍派という門流争いから、良源治山下での武力闘争への展開、そして摂関・院政政権を巻き込んだ戒壇問題への発展など、大衆が主張する論理と行動原理が明らかとなり、また平氏政権から治承寿永内乱期における両者の反平氏行動の歴史的意義に関する見通しを得た。これらの調査は本研究の重要部分を構成するものであり、今後も継続する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 徳島藩駅路寺制に関ずる一考察2009

    • 著者名/発表者名
      衣川仁
    • 雑誌名

      徳島大学総合科学部人間社会文化研究 16

      ページ: 95-109

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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