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2010 年度 実績報告書

近代日本の多層的地域帰属意識の形成と持続に関する基礎的研究―郡を素材として―

研究課題

研究課題/領域番号 20720175
研究機関皇學館大学

研究代表者

谷口 裕信  皇學館大学, 文学部, 講師 (10440835)

キーワード地域意識 / 郡公報 / 度会郡 / 郡役所 / 宇治山田 / 神苑会 / 地方自治
研究概要

本年度は調査・収集済の史料について内容を分析し、以下の1~3に示した論文執筆や市民向けの公開講座での講演をおこなった。
1.郡公報記事の分析
(1)明治期の度会郡公報について、掲載記事内容の特徴を検討して学内紀要に論文を発表した。掲載記事のうち「通報」は、公報への掲載が選択的であり、上級官庁からの通牒の「通報」であっても、掲載の有無は他郡との相違が見られた。各郡で求められる情報の違い、さらに言えば度会郡政の独自性を指摘できる。また度会郡が行政視察員費を新設した明治44年以降掲載記事件数が増加し、郡公報の情報量が増加したのみならず、郡公報の重要性が増したことも指摘した。
(2)(1)からは度会郡単位での地域意識が形成される萌芽を指摘できる。行政ルートを通じた郡レヴェルの地域意識の形成・持続を解明する点で重要である。
2.地域団体による活動の解明
「神苑会の活動と明治の宇治山田」、と題して、明治中後期に神宮の神苑整備や徴古館建設・道路建設に尽力した、神苑会という地域団体の活動を取り上げ、宇治山田の地域形成に果たした役割について、市民向けの公開講座で講演した。神苑会の活動によって宇治山田=神都という地域意識は実体あるものとなったが、これが宇治山田への市制施行を経て、度会郡を単位とする一体性・地域意識の持続に与えた影響を今後考えたい。なお本講演をもとにした論文を執筆済で、23年度に刊行予定である。
6.その他
田中正造日記の記述に見える公共・公益という言葉や、地方自治をキーワードにして、田中正造の地域意識について言及した論文を執筆し、23年度に刊行予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 明治期の度会郡公報に関するノート2011

    • 著者名/発表者名
      谷口裕信
    • 雑誌名

      皇學館大学紀要

      巻: 49 ページ: 33-45

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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