浜岡光哲は、政治・経済・社会・文化など多方面の活動を展開した地方財界人の典型といえる人物である。本研究では、浜岡光哲関係文書(浜岡家文書)の調査・研究と、近代日本の地方財界人の役割に関する多面的分析に取り組んだ。この関係文書の調査を通して、地方財界人が近代日本社会の形成にどのような役割を果たしたのかという問題を実証的に解明するため、その基礎となる調査を行った。この中には、明治から昭和初期にかけての浜岡光哲の活動に関する文書のほか、近世後期に院承仕兼御経蔵所として出仕した地下官人・浜岡家の活動に関わる文書が含まれ、近世から近代への移行期の地域社会を研究する上で重要な史料群であることが明らかになった。
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