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2008 年度 実績報告書

明清時代の華南とヴェトナム

研究課題

研究課題/領域番号 20720185
研究機関京都大学

研究代表者

山崎 岳  京都大学, 人文科学研究所, 助教 (60378883)

キーワード中国 / ヴェトナム / 明清時代 / 華南 / 広東 / 海賊 / 商業 / 漁民
研究概要

本平成20年度は、明代中国における華南の政治的・文化的位置づけを明らかにするための基礎作業として、手始めに嘉靖『広東通志』・嘉靖『恵州府志』・嘉靖『潮州府志』・隆慶『潮陽県志』等の地方志に見られる華南の政治関係、特に海賊と対外関係に関する記事を収集した。これにより、中国沿海各省の中で、明代中期において江南地方に比べて対外的に開かれていたとされる広東が、鎮守太監や総督軍務などによる強圧的な軍事支配下にあり、たび重なる激しい内戦に見舞われた紛争地域でもあったことを確認した。これは、従来の明代「海禁」に関する見方に一定の修正を迫るものである。また、嘉靖倭寇期の華南が江南地方との海路による頻繁な往来によって結ばれていたことから、浙江省東部において漁業および海上交通関係の史料収集・現地調査を行った。嘉靖倭寇期以来、広東と江浙との漁業・商業にまつわる往来には福建人の介在が重要で、今回訪れた象山県の石浦鎮にも〓南系の村があった。今後は福建における広東人や、広東における〓南人の足跡をたどることも一つの課題とすべきであろう。また、ヴェトナムとの交渉の諸相を探るため、嘉靖『欽州志』・崇禎『廉州府志』の関連記事と『皇明経世文編』の関連上奏文を読み込むことで、ヴェトナムと華南地方との間の日常的なレベルの往来に関わる記事を見いだすことができた。また、『蒼梧総督軍門志』の記述に、永楽年間の明朝治下のヴェトナムにおける河川・海洋上の反乱記事が多く見られ、ヴェトナム人の水上における活動の様相を明らかにする一端となるであろう。ヴェトナムでの現地調査は今年度は国内の中国史料に課題を絞ったため、結果的に見合わせることになった。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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