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2010 年度 実績報告書

朝鮮開港後における華商の国内商業活動

研究課題

研究課題/領域番号 20720186
研究機関佐賀大学

研究代表者

石川 亮太  佐賀大学, 経済学部, 准教授 (00363416)

キーワード韓国:朝鮮 / 華商 / 華僑 / 取引制度 / 商業 / 人参 / 同順泰
研究概要

韓国ソウル大学校図書館に所蔵される華商同順泰の経営資料を用いて、その国内での商業活動がどのような形で行われていたかを復元しようとした。特に注目したのは、朝鮮王朝の伝統的な財政構造/経済政策が華商らの国内商業にどのような影響を与えたのかという点であり、具体的には朝鮮産人参の取引をめぐる商業特権の問題を中心に取り扱った。人参には開港以前から各種の商業特権が設定され、それらの特権に基づく取引独占や課税が発生していた。同順泰資料に現れた華商の立場から見れば、これらの慣習はしばしば条約上の規定から逸脱しているという点で「違法」であり、その権原も不透明であって、活動の計算可能性を低下させていた。その一方で華商らは、特権の保有者と結託することによって他の商人より有利に商品を確保する等、自ら伝統的な商業体制の中に取り込まれることで利益を上げようとする場合があった。外交文書等に依拠した既存研究では、これら在来の特権が開港場体制との間で矛盾をきたし、紛争を惹起した側面がより強調されてきたが、商人自身の立場から見た場合、必ずしもそのようにばかりは捉えられていなかったのであり、伝統的な商業体制を基礎として構築された朝鮮特有の開港場体制について、さらに検討を深める必要がある。なお以上の結果は朝鮮史研究会(関東部会2011年2月例会)において口頭報告を行っており、さらに論文として発表する予定である。また以上の文献調査のほか、韓国忠清南道の大川・元山島・外煙島でフィールド調査を行った。その主たる目的は開港期から植民地期にかけてこれらの地域に来往した中国人についての口碑調査であり、実際に各所で中国人の活動の痕跡を発見することができた。その成果については、今後のさらなる調査によって補足したうえで、発表を期したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 開港期中国人商人の内地商業活動-同順泰文書を通じて-2011

    • 著者名/発表者名
      石川亮太
    • 学会等名
      朝鮮史研究会関東部会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2011-02-19

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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