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2010 年度 実績報告書

日独戦争におけるドイツ総督府の戦時体制構築とその青島植民地社会への影響

研究課題

研究課題/領域番号 20720195
研究機関首都大学東京

研究代表者

浅田 進史  首都大学東京, 社会科学研究科, 助教 (30447312)

キーワード国際関係史 / 日独関係史 / 独中関係史 / 植民地主義 / 戦時体制 / 総力戦
研究概要

本年度は、これまでに収集したドイツ・フライブルク連邦軍事文書館およびドイツ外務省政治文書館の関連史料の分析に加えて、夏に中国・青島での現地調査を行い、また研究成果の公表のための準備を進めた。この一連の調査・分析の過程で、日独戦争時にドイツ総督府がいかに植民地統治下の現地社会を戦争に動員したかを具体的に明らかにすることができた。また、現地社会からの「協力」なくして、戦争遂行が不可能であったことを総督府自体も十分に認識していた。日独戦争は、植民地統治下の現地住民の社会を戦場化するものであり、まさに「日独戦争」は植民地戦争として扱われるべき歴史的出来事であったことが明らかになったと考えている。
本年度に行った研究活動は以下のとおりである。まず、4月に津田塾大学国際関係研究所において研究発表を行い、さまざまな分野の研究者より助言を得た。さらに、8月には歴史問題研究所および慶應義塾大学東アジア研究所共催シンポジウムにて、アジア・太平洋戦争期の青島経済について発表する機会を得て、本研究を長期的な視点から理解することができた。また、9月の青島現地調査では、青島市梢案館を訪れ、日独戦争時の中国人住民被害についての同時代資料の目録を調査した。11月には、韓国ソウルの漢陽大学にて開催された国際ワークショップ"Everyday Coloniality"では、本研究プロジェクトのこれまでの成果を発表し、ワークショップ参加者から多くの刺激的なコメントが寄せられた。翌年1月には、西洋近現代史研究会例会にて、本研究テーマの全体に関わる植民地戦争論の枠組みを考察した発表を行う機会を得た。最後に、3月末に本科研での研究成果に終章で関係する単著を東京大学出版会より刊行し、また収集した史料の一部を扱った史料紹介を『近代中国研究彙報』にて発表した。来年度には、日本での学会発表とその後の学術雑誌での研究成果の公表を予定している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日独青島戦争におけるドイツ総督府の防衛計画「青島要塞に関する覚書」-植民地社会における総力戦への道-2011

    • 著者名/発表者名
      浅田進史
    • 雑誌名

      近代中国研究彙報

      巻: 33 ページ: 109-120

  • [学会発表] 植民地戦争について-ドイツ語圏における最近の研究動向を中心に-2011

    • 著者名/発表者名
      浅田進史
    • 学会等名
      西洋近現代史研究会
    • 発表場所
      専修大学神田校舎7号館
    • 年月日
      2011-01-22
  • [学会発表] Mobilization of the Chinese People for War : War Experiences in the German Colonial City of Qingdao during World War I2010

    • 著者名/発表者名
      Shinji Asada
    • 学会等名
      WCU Workshop "Everyday Coloniality"
    • 発表場所
      Hanyang University, Seoul
    • 年月日
      20101105-20101106
  • [学会発表] 戦時下の青島経済(1938~1945年)-日本の再占領と物資流通を中心に-2010

    • 著者名/発表者名
      浅田進史
    • 学会等名
      歴史問題研究所(韓国)・慶應義塾大学東アジア研究所共同国際シンポジウム「日本帝国主義勢力圏都市の諸問題と社会変動」
    • 発表場所
      歴史問題研究所講堂(韓国・ソウル)
    • 年月日
      2010-08-18
  • [図書] ドイツ統治下の青島-経済的自由主義と植民地社会秩序2011

    • 著者名/発表者名
      浅田進史
    • 総ページ数
      257
    • 出版者
      東京大学出版会

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公開日: 2012-07-19  

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