平成21年度は、フッテン=チャプスキ研究の刊行作業に集中的に取り組んだ。平成21年7月に、無事『多民族国家プロイセンの夢』と題して、名古屋大学出版会から刊行することができた。 加えて、関連のある訳業『少年期マックス・ヴェーバー古代・中世史論』の刊行を行った。こちらは平成21年8月に、岩波書店から行われた。 これに対しラッツィンガー研究は、科研費を得て文献の収集が進んでいるが、分析がなかなか進まないでいる。非常に残念だが、今年度にしっかりと時間を取りたいと考えている。平成22年8月に学会誌『ドイツ研究』への投稿を考えている。 ダールベルク研究も、ラッツィンガー研究と類似した状況にあるが、こちらのほうは文献収集がより困難な状況にある。というのも、現代の有名人であるラッツィンガーとは異なり、ダールベルクは18世紀の人物であり、文献は19世紀のものも多いため、日本では収集が困難なのである。平成23年度にミュンヘンで一年間在外研究を行う計画を立てているので、本格的にはそちらの課題としなければならない。
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