平成22年度は、ラッツィンガー研究の刊行作業に集中的に取り組んだ。8月に日本ドイツ学会の査読付学会誌『ドイツ研究』45号に投稿する機会があり、これに向けて作業を進めた。この結果、45号への掲載が決定したが、平成23年5月刊のため、この報告書では報告できなかった。学会誌論文は、これまでの研究を概観したものだが、紙面が限定されているため、調査内容を十分に披露することができなかった。平成24年度にドイツでの在外研究を予定しているので、その際にしっかり時間をとって単行本にできるよう努力したいと考えている。なおいま、教皇研究はドイツ多文化共生研究へと発展させつつあり、平成22年夏に勃発したザラツィン論争の研究へと移行しつつある。ダールベルク研究は、文献収集が困難で、大変残念だがこの三年間に刊行業績にまとめることができなかった。平成24年度のドイツ在外研究の際の主要な課題としたい。
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