研究概要 |
本研究の目的は、生活時間・空間に関わるデータを取得する新しい方法として, GPS携帯電話を利用したプローブパーソン調査と活動日誌法によるアンケート調査を組み合わせ, 時間地理学的研究に応用する手法を開発し, これを用いて, 愛知県豊田地域を中心とする工業都市に居住する世帯を対象とした生活行動を分析することにある. 本年度はGPS携帯電話を個人が1日24時間携行することによって日常生活空間・時間を記録するシステムと同期させて, 活動日誌法によるアンケート調査フォームを作成するような新しい調査フローの開発を行った. 対象者の調査負担の軽減を図るため, GPS携帯の電波利用による位置の自動記録・サーバへの自動送信, 並びにサーバ側で場所の移動を判定して, 可能な限り自動記入されたフォームを出力し, GPS携帯データでは判明し得ない移動の目的地や自宅での活動内容のみを対象者が記入すればよい活動日誌調査フォーム(webベース・紙ベースの両者)を生成するプログラムを作成するために, プローブ調査に関する情報収集や, 従来のシステムの利用検討を行った. 次に本調査を行うために, 1995年に申請者が行った調査データの整理・分析を行った. これによって, 本調査の調査世帯を選定するとともに, 調査・分析時に利用すべき資料を電子化し, 本年度の調査に向けた準備・調査システムの基礎部分を作成することができた. また, 以上のような新たな研究方法を利用した事例について学会等などでの発表を行った.
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