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2008 年度 実績報告書

南ヨーロッパにおけるエヴァンジェリカルとカトリック・ファンダメンタリズムの展開

研究課題

研究課題/領域番号 20720238
研究機関大阪大学

研究代表者

藤原 久仁子  大阪大学, 人間科学研究科, 特任研究員 (00464199)

キーワードカトリック / ファンダメンタリズム / 自称と他称 / マルタ / 大罪と告解confession / 終末思想
研究概要

本年度はカトリック・ファンタメンタリズムに関する文献研究を中心に進め、11月にマルタで短期間の予備調査を行った。
1. 文献研究
「カトリック・ファンダメンタリズム」という他者に対するラベリングがいかなる人々に対して使用されているかについて、新聞・雑誌・研究書を対象に調べ、現状を把握するとともに、その間のズレや語感の違いを明らかにするよう努めた。その結果、アメリカでは中絶を行うクリニク襲撃する一部のpro-lifeの人々や、出現のマリアが伝える終末論的メッセージを重視するマリア崇敬者、ローマ教皇のすべての言動を無謬であると信じる人々にして用いられる傾向にあるが、ヨーロッパでは具体的な集団名を名指す用語として用いられる傾向にあるごとが明らかにされた。このことは、ヨーロッパの場合、カトリッラク内部の関係が強く反映された用法になつていること、また、関係性に応じて「カトリック・ファンダメンタリズム」というひとつの用語が多用な意味を担っていることを示しているといえる。
2. 現地調査
2008年3月7つの大罪が追加されたため、これに関する聞き取り調査を複数個所(セントポールズベイ、アーシャ、ヴァレッタ、スウィッイ)で行ったほか(multi-sited field work)、pro-life派、終末論的メッセージを重視するマリア崇敬者、ローマ教皇至上主義を名乗る人々を対象に、各ご家庭や所属する集団の集会室、マリア巡礼地、教区教会前広場、首都ヴァレッタのカフェ等において、フォーマル/インフォーマルな形でインタビューを行った。その結果、これまで他称としてのみ論じられてきた「カトリック・ファンダメンタリズム」という用語であるが、カトリックの根本原理を体現するのは我々であるという自負を込めた自称として用いる人々がいることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 変奏される伝説、転置するフェティッシュ : ゴゾ島南部にある歴史民俗博物館の井戸をめぐって2009

    • 著者名/発表者名
      藤原久仁子
    • 雑誌名

      フェティシズム研究越境するモノ-呪物・商品・蒐集品、京都大学学術出版会 第2巻(印刷中)

  • [雑誌論文] オーセンテイシティの多様化論再考 : 秋田のカトリック巡礼地『聖体奉仕会』を事例に2009

    • 著者名/発表者名
      藤原久仁子
    • 雑誌名

      コンフリクトの人文学、大阪大学学術出版会 第1巻(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 巡礼地はどこにあるか : セイバーグレース時代における聖の場所性をめぐって2009

    • 著者名/発表者名
      藤原久仁子
    • 雑誌名

      宗教と社会 第15号(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 忠実なカトリック教徒」の/という人生選択 : マルタにおける性的な葛藤をめぐって2008

    • 著者名/発表者名
      藤原久仁子
    • 学会等名
      日本文化人類学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2008-05-31

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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