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2011 年度 実績報告書

異性装の特殊性と普遍性:インドのヒジュラとカナダのベルダーシュに関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 20720243
研究機関群馬県立女子大学

研究代表者

國弘 暁子  群馬県立女子大学, 文学部・総合教養学科, 専任講師 (20434392)

キーワード異性装 / 現世放棄 / 模倣 / ジェンダー
研究概要

既存の先行研究で「第三のジェンダー」として同一カテゴリーで括られるインドのヒジュラとカナダのベルダーシュを考察の対象とし、装いにおける性規範を逸脱する異性装の比較研究を実施してきた。平成21年度は、かつてベルダーシュと名付けられた人びととのコンタクトを試みるが、彼らはカナダ社会におけるファーストネーション(先住民)であり、且つ、セクシュアル・マイノリティのひとつにも数えられ、それら二重の差異化の作用によって社会全体のなかで認知されにくい存在であることがカナダ、バンクーバー滞在を通じて明らかとなった。その理由に、彼らが今日では格別な衣装を纏わないことがあげられるが、その点において、同じく「第三のジェンダー」と表象されるインドのヒジュラと大きく異なる。ヒジュラの場合、異装を纏う反復行為や諸々の態度によって、己の異質性を外に向けて表出し続けている。そのため周囲の人びとから嫌悪の眼差しを向けられることはあるが、しかし排除の対象となることは決してない。その一因として、インド社会では異装を纏うことが現世を放棄したことの証として認識されることが考えられる。よって平成23年度は、北インドを中心に、現世放棄という制度の現状調査を実施した。まず八月には、ヨーガの指導者として知られていたシバナンダが、ガンジス川上流域に設立した宗教施設アシュラムに滞在し、現世放棄者と俗世の人びととの係わりに関する参与観察を行った。次に、三月には、デリー近郊に設立された新興宗教団体ブラフマ・クマリの施設滞在型セミナーに参加し、彼らが布教する教義の中身や、現世を放棄した人びとの生活めあり方にまつわる参与観察を行った。また、デリー市内で活動するヒジュラとの接触も試みる。それによって、次回訪問したときに再び受入れてもらえる関係を築くことができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] インドのマスキュリニティと現世放棄2012

    • 著者名/発表者名
      國弘暁子
    • 雑誌名

      群馬県立女子大学紀要

      巻: 33号 ページ: 111-118

  • [学会発表] 伝統としてのヨーガ、近代科学としてのヨーガ2012

    • 著者名/発表者名
      國弘暁子
    • 学会等名
      NIHUプログラム「現代インド地域研究」現代インド・南アジア次世代合宿
    • 発表場所
      広島県・宮島
    • 年月日
      20120303-20120305
  • [学会発表] 政策によらない福祉のあり方とは:インドにおける乞食と喜捨の実践からの考察2012

    • 著者名/発表者名
      國弘暁子
    • 学会等名
      公開シンポジウム『福祉と開発の人類学:ひろがる包摂空間とライフコース』
    • 発表場所
      国立民族学博物館
    • 年月日
      2012-01-21
  • [学会発表] 現世放棄者のキンシップ2011

    • 著者名/発表者名
      國弘暁子
    • 学会等名
      アジア・アフリカ言語文化研究所・共同研究課題「『シングル』と社会-人類学的研究」
    • 発表場所
      本郷サテライト
    • 年月日
      2011-06-19
  • [備考]

    • URL

      http://www.indas.asafas.kyoto-u.ac.jp/kindas/member/member_kunihiro/

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公開日: 2013-06-26  

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