本研究は、上ビルマと中国雲南省との間において展開する、中国ムスリム(回族)の国境を越えた社会空間の性質をとらえ直すことを目的としていた。そのため、平成22年度には下記の調査を行うと同時に、下記の研究発表を行った。 (1)調査と研究: 1.前年度に引き続き、平成22年8月にミャンマー・ヤンゴンの国立文書館において、植民地期上ミャンマーおける中国ムスリム関係の資料を渉猟した。 2.平成22年8月ミャンマーにおかて華僑・華人、中国ムスリムと現地住民の協働関係に関する調を、下ミャンマーにおいて行った. 3.平成23年2月から.3月にかけて、中国雲南省とミャンマーとの国境に位置する地方都市「瑞麗」において、国境を越えて中国に居任するミャンマー系ムスリムのコミュニティについて調査を行った。とくにこの調査については、本科研プロジェクトから次期の研究プロジェクトに発展させるために非常に有効な調査であった。 (2)研究成果の公表: 1.平成22年7月初旬にフランス・マルセイユで開催された「国際ビルマ学会」において、Social Memory_as a Peripheral Strategy:Historical Narratives and Cultural Dimension of Chinaese Muslim Migrants in Postcolonial Myanmarと題する研究発表を行った。 2.平成22年8月下旬に中国〓州で行われた「第四届現代中国与〓〓格局国〓学術研討会:近代中国革命、社会〓型与国〓視野」「旅緬雲南穆斯林在殖民/後殖民時期歴史叙述與邊縁文化戦略」と題する研究発表を行った。 3.平成23年3月中旬に、タイ・チェンマイで行われた「全球化時代の東・東南アジアにおけるエスニック・マイノリティと地域社会」において、「植民地期およびポスト植民地時のミャンマーにおける中国ムスリムの生存戦略」と題する研究発表を行った。
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