本研究の目的は、憲法で保障された学問の自由の要請と限界を、人を対象とする医科学研究およびそれについての規制との関係で明らかにすることである。それにより、近時、研究対象者を保護し医科学研究を適切に推進するため、人を対象とする研究についてどのような法的規制を行うべきかを検討することが政策課題となってきている中で、医科学研究の適切な推進のための制度的枠組みの基礎を提供する。かつ、憲法学における学問の自由に関する議論などの発展に貢献する。 そのために、さまざまな分野の学会・研究会に参加して、各種分野の研究者と対話を行っていく。また、内外の文献を収集し、また各種公的審議会等を傍聴して、議論の整理を行う。これらの方法により、まず学問の自由一般について考察し、その後、人を対象とする医科学研究に焦点を絞り、とくに研究内容の事前審査に関する問題を中心にして、学問の自由の要請と限界を明らかにする。
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