本研究の目的は、非国際的武力紛争(NIAC)に適用される国際人道法の規則が最近著しい発展をみせているところ、そのような発展が国際的武力紛争(IAC)とNIACの構造的な相違をどの程度反映しているのか、反映していないとすればそこに決定的な問題がないのか、といったことを明らかにし、それによりNIACに適用される国際人道法のあり方を再構成しようとするものである。 本年度は、最終年度であることもあって、NIACにおける国際人道法の適用のあり方に研究対象をしぼって、学説、判例などを研究したが、特に日本における昨今の国際人道法関連立法におけるNIACの扱い(無視)を問題にした。韓国の大韓赤十字社から、ちょうど国際人道法の履行に関して研究報告を行うようにとの依頼を受けたこともあって、11月に当地で上記のような問題点を取り扱った講演へと結実した。 なお、東日本大震災の影響で、3月に取りまとめの意味もこめて開催するはずだった勉強会が中止となり、それにかかる経費が未執行となっていたが、平成23年6月に開催された。
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