本年度は、本研究の仕上げの年であるので、不足している資料を補うために、8月末にドイツ連邦共和国のケルン大学、ミュンヘン大学、ヴュルツブルク大学、ハッティンゲン区裁判所において資料収集を行った。ケルン大学、ミュンヘン大学では、法学部の図書館において、債権法改正後の、特に、M&Aにおける表明保証の問題についての文献を中心に幅広く文献を収集することができた。特に、ミュンヘン大学は、ドイツでも有数の総合大学であり、法学部の図書館も所蔵する文献の量も多く、本研究にとって有益な文献を多数収集することができた。また、ヴュルツブルク大学図書館は、歴史が古い大学であることもあり、戦前の興味深い文献が多数所蔵されており、研究テーマであるM&Aにおける表明保証責任についても、その基礎となるべき、重要な論文を収集することができた。 この成果については、2011年10月28日に、横浜の実務家・研究者で構成される、横浜実務民事法研究会において、「商事売買契約における免責・責任条項と約款規制-ドイツにおける近時の裁判例を参考にして-」というテーマで研究報告を行い、出席者から多くの有益な助言を賜わるとともに、本研究の不十分な点についての重票な指摘も受けた。現在は、この報告をもとに、紀要に論文として公表することを目指している。 さらに、本研究の成果をあわせて博士論文である「性質保証責任の研究」としてまとめ、博士号の申請をする予定である。
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