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2008 年度 実績報告書

知的財産法における独占権の相対化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20730086
研究機関九州大学

研究代表者

小島 立  九州大学, 大学院・法学研究院, 准教授 (00323626)

キーワード知的財産権 / 独占権 / 権利制限 / 中間業者 / 二次責任
研究概要

平成20年度は, 以下の研究を中心に行った。
1. 独占権の相対化に関する現状分析を行なった。最近のビジネス環境においては, 独占権に依存するビジネスモデル(例えば製薬業界や音楽業界)と, 独占権に必ずしも依存しないビジネスモデル(例えばソフトウェア産業)への分化が鮮明に見受けられるようになってきたと指摘されている。確かに従来から, 著作権法における私的録音録画補償金請求権に見られるように, 独占権を相対化しようという試みは存在したが, それは知的財産法の中では局所的な動きに留まっていた。しかし, その後のデジタル技術やネットワーク化の進展, 産業構造の変化などにより, この状況は大きな変容を迫られつつある。そこで, かかる状況の変化を踏まえ, 本研究において対象となるいくつかのビジネスモデルを選定し, 当事者の関係や市場構造などを分析した。
そこでの問題点は, とりわけ著作権の分野で顕著であるが, 権利制限と間接侵害であることも明らかとなった。そこでは, 情報の捜索のみならず, 社会への伝播に関わる中間業者の位置づけを明確化することが次の課題となった。
2. 独占権の相対化に関する基礎理論的研究に着手する。その基礎理論的考察は, 主として2つの方向性からなされた。第1に, 独占権の相対化をめぐる問題は, 財産法の本質に関わることであり, Property Rules(PR : 財産法ルール)とLiability Rules(LR : 責任ルール)に関する研究である。従来の研究によれば, PRとLRを分ける分水嶺は, 取引費用(Transaction Costs)の多寡による。先に行なった具体的な産業構造等の把握を踏まえ, いかなる業界において, この原則がどの程度妥当しているのかについて, 基礎理論との兼ね合いの中で検証した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 著作権法における「間接侵害」と権利制限規定2009

    • 著者名/発表者名
      上野達弘=小島立
    • 雑誌名

      NBL 900

      ページ: 80-84

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 条約における権利制限2008

    • 著者名/発表者名
      小島立
    • 雑誌名

      著作権研究 35号

      ページ: 72-89

  • [雑誌論文] 立体商標の登録要件--マグライト立体商標事件--2008

    • 著者名/発表者名
      小島立
    • 雑誌名

      知財管理 58巻4号

      ページ: 529-538

    • 査読あり
  • [学会発表] 我が国著作権法における権利制限規定について2008

    • 著者名/発表者名
      小島立
    • 学会等名
      科研特定領域研究「日本法の透明化」総括班シンポジウム「ここがヘンだよ日本法」
    • 発表場所
      京王プラザホテル
    • 年月日
      2008-11-28
  • [学会発表] 条約における権利制限2008

    • 著者名/発表者名
      小島立
    • 学会等名
      著作権法学会
    • 発表場所
      一橋記念講堂
    • 年月日
      2008-05-24
  • [図書] Intangible Cultural Heritage and Intellectual Property2009

    • 著者名/発表者名
      Ryu Kojima(共著)/Toshiyuki Kono(編集)
    • 総ページ数
      432
    • 出版者
      Intersentia
  • [図書] デジタル・コンテンツ法のパラダイム2008

    • 著者名/発表者名
      小島立(共著)/財団法人知的財産研究所(編集)
    • 総ページ数
      314
    • 出版者
      雄松堂出版
  • [図書] 知的財産権研究v2008

    • 著者名/発表者名
      小島立(共著)/中山信弘(編集)
    • 総ページ数
      342
    • 出版者
      レクシスネクシス・ジャパン

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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