平成20年度は、第一に、国立国会図書館、及び、東京大学社会科学研究所図書室に所蔵されている占領期の政党関連資料を調査・収集した。それ以外にも関連資料を古書店を通じて入手した。党則に関しては新聞や機関誌で把握出来たものもある。しかし確認出来なかったものも多く、各政党の資料を十分に網羅したとは言えない。平成21年度も継続約に収集する。 第二に、時間的に海外での調査が出来なかったため、国内での資料調査を精力的に行った。具体的には、各地の公文書館や資料館等における調査、政治家のご遺族への問い合わせである。前者の調査では、研究等で計及されていない資料を、占領期に限らず、いくつか発見することが出来た。一部の資料に関して、広く研究者の利用に供するため、関係機関と協議を行った。現時点では公開にいたっていないので、今後も協議を続ける予定である。後者の調査では、占領期に代議士を務めた人物を二件調査することが出来た。ともにご族から貴重な談話を伺うことが出来た。だが、資料面では成果は乏しかった。一件は火災により、資料そのものが焼失していた。もう一件は、ご遺族が資料を処分しておられた。それ以外にも公職追放中だった政治家の資料も調査した。公職追放に関連する興味深い資料は含まれていたが、やはり政党関係資料は含まれていなかった。以上は全て、従来その資料について知られていなかった政治家である。それ以外の政治家や、平成20年度に調査出来なかった各地の資料館など、平成21度も積極資料調査を継続したい。また、昨今、その充実ぶりが報じられる国立公文書館所蔵資料の調査も今後の課題である。 以上の調査からも、占領期の政党関連資料は十分に知られているとは言い難い状況であると言え、その意味で本研究は他の研究者にとっても有益であろう。今後も調査を進めつつ、そのうえで政党組織と党首のリーダーシップとの関係を論じたい。
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