平成20年度においては、東京都墨田区議会議員に対するアンケート調査とインタビュー調査を実施した。 本研究の調査地点として、東京都墨田区議会を選定した理由は三つある。第一に、墨田区の人口は約24万人であり、東京の特別区の中でも中規模の人口を有する。標準的な事例といえる。第二に、墨田区議会の党派性は高く、他の特別区の議会と同様である。東京の特別区の議会を事例として、人口規模と党派性の関係を検証するには、最適の事例といえる。第三に、議会における協力者を確保できたことである。この点は、研究の遂行にとって決定的に重要である。 墨田区議会を対象とする事例研究を実施する条件が整ったことから、本年度はアンケート調査とインタビュー調査に注力した。当初予定していた、地方議会に関する集計データの収集とデータ・セットの作成は次年度に行う。 アンケート調査の概要は以下の通りである。 調査項目は、議員の属性、政党所属ないし無所属の理由、国政ないし都政レベルの政治家との系列関係の有無、選挙運動(後援会や主要な支持団体に関する事柄など)、政策的な関心事など多岐にわたる。さらに、回収した調査票をコンピュータに入力し、分析可能なデータ・セットを作成した。調査結果については、全議員に報告した。 インタビュー調査については、議長と会派の代表を中心に、合計7名を対象として実施した。アンケート調査の結果を対象者に関する事前資料として活用し、そこでの調査項目について、さらに深く話をうかがうことを目的とするものである。対象者の協力により、無事に調査を終えることができた。来年度は、対象者とともにインタビュー原稿の編集作業を行う。
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