本研究では「なぜ基礎自治体の議会議員選挙では無所属候補者が多いのか」「政党の存在理由とは何か」という問いに答えるため、「当選に必要な票数が大きく(小さく)なるほど、候補者の個人的な集票努力では動員が困難(容易)となり、政党のラベルに頼る必要が生じる(なくなる)」という仮説の検証を行った。具体的には、東京都墨田区議会議員を対象とする事例研究や東京23区議会の選挙結果を収録したデータ・セットの分析、さらに「市町村合併による選挙区規模の拡大」に注目し、該当する全ての自治体の選挙を対象とするデータ・セットの整備を行い、検証した。その結果、本研究の仮説は概ね肯定的な結果を得た。
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